OVERVIEW
この症状について。
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッション(椎間板)の中身が後方に飛び出し、神経を圧迫することで腰痛と下肢のしびれ・痛みを生じる疾患です。20〜40代に多く、片側のお尻〜太ももの後ろ〜ふくらはぎへ放散する痛み(坐骨神経痛)が特徴。多くは保存療法で改善しますが、強い麻痺や排尿障害がある場合は緊急手術の対象になります。MRI による画像確定診断と神経症状の有無で治療方針が大きく変わるため、整形外科での専門評価が重要です。
SELF CHECK
こんなサインがあれば、受診を考える。
- 腰痛より足のしびれ・痛みの方が強い
- 咳・くしゃみで腰〜足に響く痛みが出る
- 前かがみで痛みが増す
- 片足のつま先立ち・かかと立ちがしづらい
- 太もも〜ふくらはぎに沿った痛み
- 階段の昇降で足の力が抜ける感じ
POSSIBLE CAUSES
考えられる原因・疾患。
加齢による椎間板変性
椎間板の水分が減り、外側の繊維輪が断裂しやすくなる。30代以降に多い。
過度な腰への負荷
重量物の運搬、前かがみ姿勢の繰り返しが誘因になる。
遺伝的素因
椎間板の強度には個人差があり、家族歴がある人は発症リスクが上がる。
喫煙
椎間板の栄養供給を悪化させ、変性を早める。
スポーツ
体幹のひねりが大きい競技(ゴルフ・野球・テニス)で発症リスクが上がる。
TREATMENTS
治療法の選択肢。
— STEP 01
保存療法
安静、消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛薬、ブロック注射。8割は保存療法で改善するといわれます。
— STEP 02
手術療法
強い麻痺・排尿障害・保存療法無効の場合に検討。現在は内視鏡下手術が主流で、入院期間も短縮されています。
— STEP 03
リハビリ
体幹筋トレーニング、姿勢指導、再発予防のための運動療法。
WHEN TO VISIT
受診の目安。
緊急
すぐに受診- 両足の麻痺
- 排尿・排便のコントロール障害(馬尾症候群の可能性)
- 急激な症状悪化
早めに
早めに受診- 1ヶ月以上続く下肢痛
- 明らかな筋力低下
- しびれの範囲が拡大している
経過観察
経過観察可- 体勢で変化する軽度の坐骨神経痛
- 休めば軽快する
FAQ
よくある質問。
ヘルニアは手術するべき?
8割は手術なしで改善するといわれます。麻痺や排尿障害がある場合は緊急手術の対象になります。
腰痛と下肢痛、どちらが多い?
典型例では下肢痛が主訴です。腰痛は意外に軽いことも多く、足のしびれ・痛みのほうが目立ちます。
コルセットは効果ある?
急性期の安静補助に有効。長期使用は推奨されません。
飛び出したヘルニアは消える?
体内で吸収されて自然軽快することがあります(自然吸収現象)。
再発する?
生活習慣・体幹筋の状態次第です。リハビリと姿勢改善で再発予防が可能です。
編集部監修について
Phase D で整形外科専門医による最終レビューを実施。本稿は編集部監修のドラフトです。診断・治療の最終判断は医療機関で受けてください。