OVERVIEW
この症状について。
腰痛は日本人の8割が一生のうちに経験するといわれる、もっとも身近な症状のひとつです。多くは数日〜数週間で軽快しますが、3週間以上続く・夜間痛がある・足のしびれを伴うといったケースでは、整形外科で原因の精査が必要です。原因は筋肉や姿勢由来から、椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症などの神経圧迫まで多岐にわたります。自己判断で「年齢のせい」と片付けず、症状の特徴を整理して受診につなげることが、回復への近道です。
SELF CHECK
こんなサインがあれば、受診を考える。
- 3週間以上、痛みが引かない
- 朝起きた直後よりも夜間に強く痛む
- 足にしびれや力の入りにくさを感じる
- 排尿・排便のコントロールに違和感がある
- 安静にしていても痛みが続く
- 体重の減少や発熱を伴っている
POSSIBLE CAUSES
考えられる原因・疾患。
筋・筋膜性腰痛
姿勢の負荷や過労による筋肉の炎症。多くの軽症腰痛がこれにあたり、数日〜数週間で軽快する。
椎間板ヘルニア
椎間板の中身が飛び出して神経を圧迫する。片足のしびれや痛みを伴うことが多く、20〜40代に多い。
脊柱管狭窄症
加齢で神経の通り道が狭くなる。歩くと痛みが出て休むと楽になる『間欠跛行』が特徴。
圧迫骨折
骨粗鬆症をベースに、軽い衝撃でも骨折が起こる。高齢女性に多く、急な強い腰背部痛が出る。
仙腸関節障害
骨盤の関節由来の痛み。片側の腰〜お尻にかけて痛むのが典型。
内臓疾患由来の腰痛
腎結石・大動脈瘤・婦人科疾患などが腰痛として現れることも。整形外科以外の精査が必要なケース。
TREATMENTS
治療法の選択肢。
— STEP 01
保存療法
安静→運動療法→消炎鎮痛剤・湿布・ブロック注射。多くの腰痛は保存療法で改善します。長期の安静は逆に回復を遅らせるため、痛みが落ち着き次第、適度な活動再開が推奨されます。
— STEP 02
手術療法
ヘルニアや狭窄症で保存療法が効かず、麻痺や強い痛みが残る場合に検討します。内視鏡手術など低侵襲の選択肢も増えており、入院期間も短縮傾向にあります。
— STEP 03
リハビリ・運動療法
体幹筋・股関節周囲のトレーニング、姿勢指導、ストレッチ。再発予防に重要で、急性期を過ぎたら継続的に取り組むことが推奨されます。
WHEN TO VISIT
受診の目安。
緊急
すぐに受診- 足の麻痺・尿便のコントロール障害(馬尾症候群の疑い)
- 発熱を伴う強い腰痛(感染症の可能性)
- 体重減少を伴う持続性腰痛(悪性腫瘍の除外要)
- 外傷後の激しい腰痛
早めに
早めに受診- 3週間以上続く痛み
- 夜間痛が続いている
- 足のしびれや感覚異常がある
経過観察
経過観察可- 動かすと痛む程度の腰の張り
- 休めば軽快する一過性の痛み
FAQ
よくある質問。
腰痛は何科にかかればいい?
整形外科が一次窓口です。神経症状が強い場合は脳神経外科、内科疾患が疑われる場合は内科併診になることもあります。
画像検査は必ず必要?
3週間以上続く・神経症状あり・外傷ありの場合はレントゲンやMRIで原因精査をします。軽症の急性腰痛では必ずしも必要ありません。
コルセットは効果ある?
急性期の安静補助には有効ですが、長期使用は筋力低下を招くため避けるのが一般的です。痛みが軽快したら段階的に外していきます。
マッサージや整体は受けてもいい?
気持ちよさは得られますが医療行為ではないため、原因疾患の見落としに注意が必要です。神経症状や持続する痛みがある場合は、まず医師の診察を優先してください。
予防のための運動は?
体幹筋(特に腹横筋・多裂筋)を意識した運動と、長時間同一姿勢を避けることが基本です。20〜30分ごとの姿勢変更や軽いストレッチが効果的です。
編集部監修について
Phase D で整形外科専門医による最終レビューを実施。本稿は編集部監修のドラフトです。診断・治療の最終判断は医療機関で受けてください。